1995.4:作業療法士国家資格取得
経験年数25年
7年間リハビリテーションセンター勤務
以降 介護保険系サービスに従事

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デイサービスでのリハビリ評価

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私は以前法人内のデイサービス4箇所を、各週一回くらいずつ、評価とプログラム検討のために回っていました。 柔道整復師の方がいて、マッサージを担当されていました。

私は筋緊張・関節可動域、麻痺、基本動作、立位バランスを一通り評価していました。

関節可動域制限については軽度なら問題ありませんが、中等度なら日常生活で問題にならないよう、制限が強まらないよう関節可動域訓練が必要になります。柔道整復師の方にお願いできるのか、自分が担当したほうが良いのか相談されると良いでしょう。痙性が強ければ、痙性抑制の方法も伝えましょう。

基本動作に介助が必要な場合、どうすれば改善するか基本動作訓練を行う、また介助が楽にできる方法の実践(デモンストレーション)、他職種へのアドバイスをしていきます。

立位バランスは施設内の移動に関わってくるので重要になってきます。

私は、立位バランスのスクリーニングとして片脚立位と両手バンザイをしていました。

片脚立ち:安定して片脚立ちができれば、ゆっくり次の足が出せます。片脚立ちが安定していなければ、急いで次の脚を出し、結果的に早足になってしまうのです。もちろん、立位も安定していて早足の人もいますが。

一般的に早足の人が歩行能力が高いとの思い違いがあります。「あの人は早足で問題ありません」という人に片脚立ちしてもらうと、一瞬しかできずに驚かれることもしばしばあります。

簡単な評価なので是非行ってみて下さい。バランス崩しに備え、手すりにすぐつかまれる、後ろに椅子を用意しておくなどの対応もしておきましょう。

手放しの片脚立ちで安定して3秒可能なら、杖を使わず歩けると私は判断していました。5秒できればなお安心です。

記入はこんな感じです。

片足立ち:右脚軸 手放し3秒可、不安定。左脚軸 手放し2秒可、不安定。   (手放し 不可、手放し一瞬可、など)

立位バンザイでは、洗濯物を干す時や棚の上の物をとる時の状況がみえてくると思います。骨盤後傾してる方は後方重心の傾向があり、バンザイの動作などで後方にバランスを崩しやすいです。後方へのバランス崩しに備え、プラットホームの前や、安定した椅子の前で行います。「ゆっくりバンザイしてください」などの声かけが良いです。

骨盤後傾タイプの方は、見かけ上腰が曲がっていない?ことを誇りに思っている方もいます。実は後方へのバランス崩しにつながりやすいということを実感して頂くにはよい評価です。また、どのように手を挙げたらバランスを崩さないのか、動作練習にもなります。

ちなみに、ファンクショナルリーチは前方へのリーチです。日常の場面では、台所の流しの奥の棚やテーブルの奥の方に手を伸ばす時などでしょうか。その時は、テーブルなどに寄りかかったり、手をつくことができます。身体の前に何もなければ、近付いて手を伸ばせばいいのです。日常の評価としてではなく、客観的な数値として変化点がわかりやすく立位バンザイが簡単な方にお勧めします。

高齢になってくると、腰・背中が曲がっていないことや、杖を使っていないことを誇りにされている方がいます。その方々に、バランス崩しの可能性があることをご理解頂き、「転ばぬ先の杖」として必要な物を使って頂くことが大切になってきます。

独歩でいいのか、シルバーカー、杖、歩行器のどのレベルなのか?自立か、見守りか?この判断は専門職ならではないでしょうか。

ちなみにシルバーカーは、傾斜ではブレーキをかけながら使うのが意外と難しく、転倒することがあります。独歩レベルの方が適応となります。

立位バランスの評価を施設内の移動に活かしていきましょう。

デイケア、デイサービスでは職種に関係なく、みんなで協力をして安全に運営を行っていくものです。何でもできることは手伝って、輪に入り、信頼関係、協力関係を築くことが必要です。スタッフ間でも専門用語はなるべく使わず、利用者様でも分かる言葉を使っていくことをお勧めします。専門性は少しずつ分かってきてもらえます。焦らず頑張りましょう。

運動機能向上加算をとるために、継続して同じ評価をして、変化点を追うために使うテストは以下のテストが多いです。これらは数字として出ますので、変化点も一目瞭然です。

握力テスト

ファンクショナルリーチテスト

開眼片足立ち

2ステップテスト

timed up & go test

通常歩行

最大歩行

椅子からの立ち上がりによる筋力テスト

長座位体前屈