小さな筋肉は筋疲労を起こしやすいです。そんな小さな筋肉に疲労をためないことが、より大きな筋肉への負担を減らすことになります。疲労をリレーさせないことが大切です。身体の中の小さな筋肉、そして高頻度に使用する手の筋肉のマッサージを紹介します。
パソコン操作やスマートフォン操作、数十年前にはなかった細かな指の動きです。本来人間の指は拇指・示指・中指の3本が細かい動作(巧緻動作)を担当し、薬指・小指が握力などのパワー系を担当してきました。ところがパソコンの登場により、薬指や小指までもが細かい動作にかり出されることになってしまいました。手指にかかる負担は計り知れないものがあります。
ぜひ患者さんに覚えていただくだけでなく、セラピスト自身のマッサージとして隙間時間に行う癖をつけられるとよいですね。
前腕のマッサージ
軽く前腕を包み込み、骨だけを回すようなつもりでゆっくり手のひらを上にします。今度はゆっくり手のひらを下にします。(回内、回外の動き)
骨から軽く筋肉をひきはがすようなつもりで。
手のマッサージ
手を使うときは必ずといっていいほどアーチを作って、手を使います。アーチを作るために使う筋をマッサージする必要があります。
※上記図は「基礎運動学」医歯薬出版株式会社より抜粋
手内筋と呼ばれる筋肉にはどんな筋肉があるか見ていきます。まずは母指球筋と呼ばれる4つの筋肉、母子対立筋、母指内転筋、短母指外転筋、短母子屈筋です。
小指球筋とは小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋、短掌筋の4つ。(ここでは2つの筋肉のみ図示)
次に中手骨間に存在する虫様筋です。MP屈曲、DIP・PIP伸展に働き、細かい物をつまむ時によく使います。
手指の外転に作用するのが背側骨間筋と小指外転筋、内転に作用するのが掌側骨間筋です。
図は「クリニカルマッサージ」、医道の日本社より抜粋
手部のマッサージ
虫様筋や掌側骨間筋、背側骨間筋などの手内筋をほぐしていきます。
手をもう片方の手で包み込み、横方向のアーチ(中手骨アーチ)をソフトに且つしっかりつくる。ゆるめる。数回繰り返します。
拇指と示指の間
拇指と示指の付け根(第1中手骨と第2中手骨)の間をつまみます。つまんだ手は動かさずに、マッサージされている側の手を動かした方が楽です。
前腕のマッサージと同じ要領で、つまんだ部分は動かさず、骨だけスライドさせるようなイメージです。
示指と中指の間
母子と示指の間と同じ要領で各指の間のマッサージをしていきます
中指と薬指の間
薬指と小指の間
上腕骨外側上顆炎の<上肢の機能・役割>や疲労のリレーなども参考にしてみて下さい。