へバーデン結節・ブシャール結節とは手指の変形性関節症です。変形する部位によって病名が変わります。
示指~小指にかけては
①へバーデン結節:指の第1関節(DIP関節)の変形
②ブシャール結節:指の第2関節(PIP関節)の変形(母指のIP関節、MP関節の変形は非常にまれ)
③母指CM関節症:母指の付け根(CM関節)の変形性関節症です。
へバーデン結節・ブシャール結節の症状:
赤い、腫れている、伸ばしにくい、痛い、ぶつけた時に激痛がはしる、力が入りにくい。関節が曲がる(変形)、関節の両側背面にコブ(結節)ができる。水ぶくれのようなふくらみを持つ粘液嚢腫(ミューカスシスト)が関節付近に生じることもあります。
へバーデン結節・ブシャール結節の原因:
不明。40歳代以降の女性に多い。手を良く使う人はなりやすい傾向。
へバーデン結節・ブシャール結節の診断:
関節の変形、突出、疼痛。X線写真で関節の隙間が狭くなったり、骨棘(こつきょく)がある。
関節リウマチとの判別:
同じ関節痛でもリウマチは両側性で、手首や第2関節(PIP関節)、第3関節(MP関節)の変形が多く、第1関節(DIP関節)に起こることはほとんどありません。
また関節の痛みやこわばりだけでなく、微熱や倦怠感などの全身症状もあります。
レントゲン検査や血液検査で判別が可能です。
へバーデン結節・ブシャール結節の治療:
個人差があるものの、数か月~数年のうちに痛みは落ち着くことが多いので、安静と対症療法(保存治療)が中心となります。
①保存的療法:
局所の安静
アイシング:炎症期
固定(テーピングなど)
内服(漢方や消炎鎮痛剤)
外用薬(塗り薬、湿布)
関節内ステロイド注射(急性期。特にトリアムシノロンは有効)
サプリメント(ホルモンバランス変化に対し)
物理療法:
干渉波治療、スーパーライザー(近赤外線治療)、超音波治療、温熱療法(炎症が落ち着いたら)など。
リハビリ:マッサージ、可動域訓練など。詳しくは別にまとめます。
②手術:コブ結節の切除や関節固定
痛みが消えない、日常生活に大きな支障がある場合など行います。でっぱった骨や水ぶくれ(嚢胞)を切除したり、関節のぐらつきに対し関節固定をします。