今回は手指のマッサージとしてカッサを紹介します。
まずはカッサの基本的な説明を行い、その後で簡単なセルフケアとしてのカッサを紹介します。
カッサ (刮痧)とは
東アジア伝統医学の治療方法で、家庭内のセルフケアとして行われてきました。体表面に痧(sha)という内出血斑が現れるまで一方向に圧を加えながら、潤滑油を塗った部位を縁の滑らかな道具で何度も滑らせる方法です。
カッサの基本的な施術方法
①10~15㎝の押圧ストロークを一方向に行います。
②ストロークの圧は疼痛や不快感を生じさせない程度に行います。
③ストロークは10回前後行います。点状出血が出現し、斑状出血が生じる前にストロークをやめます。(その後点状出血が薄くなり自然に斑状出血に移行していきます)
④直前にストロークしていたすぐ隣を隙間がないようにストロークしていきます。
カッサの施術の3つの特徴
①意図的に筋膜まで圧を加え、密接に一方向へ繰り返しストロークを行う
②筋に沿って大きく施行する。(筋組織に対して横行しない)
③意図的に、一時的な点状出血や斑状出血を生じさせる
カッサの効果
疼痛の即時的改善、脈、舌、消化、尿、便、睡眠、性欲、柔軟性、気分ならびに他の症状の変化。
嘔気、嘔吐、喘鳴、呼吸困難の改善。
頚部痛、偏頭痛、帯状疱疹後神経痛などの症例報告もある。
カッサの禁忌
表皮、真皮の損傷。日焼け、擦過傷、発疹、挫傷部位には行わない。
カッサの道具
スプーン、硬貨、磨いた角、骨、石などを伝統的には用いてきた。現在はカッサプレートを用いることが多い。
カッサプレート
素材:天然石、ステンレス、陶磁器、プラスチック、象牙など様々あります。
形:羽型、魚型、F型、櫛型、眉型、長方形、棒型など
カッサでセルフマッサージ
今回はカッサプレートを用いた簡単なセルフマッサージについて紹介していきます。
本来のカッサとは違う方法です。
カッサで指のマッサージ
手指の疲れをためないために、できれば毎日行いたいです。
そのために内出血させるまで行いません。1箇所につき、3~5回マッサージします。軽く流すイメージです。
指先の血流が低下すると、酸素や栄養が送られにくくなります。慢性的になると、皮が薄くなる、爪の変形、骨が弱くなって変形(ブシャール結節やへバーデン結節)、痛み物質がたまって発痛、腫れ、むくみ等の症状が現れます。
指の関節の血管や神経は、指の側面、指のまた部分を通っています。
そこで、指のまた部分~指の側面をマッサージしていきます。
カッサで手の平のマッサージ
手内筋と呼ばれる掌側骨間筋、背側骨間筋、虫様筋などがあります。
母指には外転筋、内転筋や対立筋、屈筋
小指にも外転筋、対立筋、屈筋があります。
三つ又もしくは二又になっている部分で、一方向に数回押圧します。手の平全体をカバーするように、何回かに分けて、くまなくマッサージしましょう。
カッサで手の平の母指球、小指球をマッサージ
母指や小指はたくさんの筋肉があり、よく使う部分なので、疲れがたまるポイントです。
曲線部分や先端部分を使って、他よりも念入りに押圧します。
参考:10秒神経マッサージ
富永喜代医師、富永ペインクリニック、ヘバーデン結節外来開設。
指先、手首、掌、肘などにブシャール結節の痛みに効果的な神経ポイントは存在しています。10秒神経マッサージは、体の浅い部分を走る神経を刺激することで痛みをやわらげるセルフマッサージです。